2020年9月12日土曜日

『週刊韓国ニュース 第264号』(20.9.11)

 《全教組が7年ぶりに合法化》

 

 大法院は9月3日、「全国教職員労働組合(全教組)に対する『非合法労働組合通知処分』は不適合」との結論を出した。これを受け雇用労働省は翌日、全教組に対する「非合法労働組合通知処分」を取り消した。

 朴槿恵(パク・クネ)政権当時の「非合法労働組合通知」から7年ぶりに、全教組は労働組合の地位を回復することになった。

勝利判決に喜ぶ全教組メンバー(9.3 ソウル・大法院(最高裁前))

 

《非転向長期囚の北への送還を求める記者会見》

 

 非転向長期囚・送還20周年記念事業会(記念事業会)は9月8日、秋夕(旧盆、10月1日)前に長期囚の2次送還が実現されるよう、文在寅(ムン・ジェイン)政権に強く求める記者会見を行った。

 6・15南北共同宣言が発表された2000年の9月2日に南北当局の合意のもと長期囚63人が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に送還された。さらに33人の長期囚が第2次送還を求めたが、20年間実現していない。すでに長期囚のうち20人が亡くなった。

非転向長期囚の北への送還を求める記者会見(9.8 ソウル・統一省前)

2020年8月28日金曜日

『週刊韓国ニュース 第262』(2020.8.28)

《文大統領「防疫妨害行為は逮捕・拘束を」》

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8月21日、新型コロナウィルス感染症に対応するためのソウル市災害安全対策本部を訪問し、「疫学調査や防疫調査を妨害する行為に対し、必要な場合は現行犯逮捕や拘束令状の請求など厳重な法執行を示してほしい」と述べた。

 韓国では急速な拡大が懸念されているが、今回の感染拡大の原因はプロテスタント系のチョン・グァンフン牧師の「サラン第一教会」のクラスターである。チョン牧師は当局の禁止令を無視し、8月15日に大規模な「文在寅糾弾集会」をソウルの光化門前広場で強行した。

サラン第一教会で行われた防疫作業(ソウル 8.16)

 

《駐韓米軍、細菌実験が疑われる施設に人員募集》

 

 駐韓米軍が国内駐屯地などで運営する生物化学プログラム「セント―」(CENTAUR)の運営人員を募集する広告が確認され、細菌実験に反対する市民団体の反発をかっている。

 8月26日、「8ふ頭米軍細菌武器実験室追放・釜山市民対策委員会」(対策委)によると、駐韓米軍の「セント―」を委託運営する米国の軍用造船会社ハンチントン・イングゲルスが最近、人員広告を通じて「セント―の媒介体標本の収集家」を募集している。

駐韓米軍の細菌戦部隊の真相究明と追放を求める市民ら(ソウル 8・15) 

2020年8月21日金曜日

『週刊韓国ニュース 第261号』(2020.8.21))

 《文大統領、日本軍「慰安婦」問題はハルモニらの要求にそって解決すべき》

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8月14日、「日本軍『慰安婦』被害者メモリアルデー」を迎え、天安市の国立「望郷の丘」で行われた記念式典に映像メッセージを送った。

 文大統領はメッセージを通じ、「被害女性であるハルモニらの苦しみや傷が少しでも癒えるとともに、韓国国民が被害者らの思いを心に刻む日になればと思う」と語った。

天安市にある故金福童(キム・ポクトン)ハルモニの墓を参拝する天安市長ら(8.14 忠清南道・天安市)
金福童ハルモニの墓
ソウル市内で開かれた「メモリアルデー」で、「ハルモニらに名誉と人権を」と掲げられたプラカードを手にする市民(8.14)
  

 

《光復会長、親日清算の重要性を強調》

 

 日帝植民地時代の独立運動家やその遺族らで構成する「光復会」の金元雄(キム・ウォヌン)会長は8月15日、光復節75周年の慶祝式典の記念辞で、「親日の未清算は韓国社会の基礎疾患」「わが民族の未来への足を縛っているのは、親日にルーツを持った分断に寄生する勢力」と指摘し、親日残滓(ざんし)の清算を強調した。

光復節75周年式典であいさつする金会長(8.15 ソウル)
 

2020年8月7日金曜日

『週刊韓国ニュース 第260号』(2020.8.7)

 《李仁栄・統一相が8・15大会推進委メンバーと懇談》

 

 新任の李仁栄(イ・イニョン)統一相が8月3日、8・15自主大会推進委員会(8・15推進委)常任代表団との懇談会を持った。李昌馥(イ・チャンボク)6・15共同宣言実践南側委員会常任代表議長、趙誠宇(チョウ・ソンウ)キョレハナ理事長、韓忠穆(ハン・チュンモク)韓国進歩連帯常任代表、金キョンミン韓国YMCA全国連盟事務総長らが参席した。

8・15推進委メンバーと懇談する李仁栄・統一相(左から3人目)
李仁栄・統一相と懇談する李昌馥6・15南側委員会常任代表議長(左から2人目)、韓忠穆・同委員会常任代表(同3人目)ら
 

 

《正義連関連の報道記事、訂正措置が相次ぐ》

 

 「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の「会計不正」疑惑を提起した保守系メディアの記事が誇張されたか、事実ではないという言論仲裁委員会の決定が相次いで下されている。

 「ソウル経済」は5月21日に「正義連が返還したという国庫補助金、記載分より足りない3000万ウォン(約260万円)はどこへ」という記事で、この資金を正義連側が横領した可能性を提起した。しかし、正義連が公開した女性家族省の「国庫補助金交付決定通知公文」を基準に計算すると、正義連は国庫補助金をすべて返還している。

 結局、言論仲裁委の調停で、当該メディアは同記事を削除し、8月2日、ホームページに訂正報道を掲載した。

8月2日付けの「ソウル経済」の訂正記事
 

2020年8月1日土曜日

『週刊韓国ニュース 第259号』(2020.7.31)

《8・15推進委、韓米合同軍事演習の中止を要求》

 

 韓国政府の要請により韓米合同軍事演習が8月中旬、例年より規模が大幅に縮小されるものの、「作戦統制権の転換のための検証」を含んだ訓練として行われる見通しだ。

 これに対し、6・15共同宣言実践南側委員会、韓国進歩連帯、民主労総、韓国労総、全国農民会総連盟、YMCA、YWCAなどの市民社会団体、労働組合、宗教団体などで構成される「8・15民族自主大会推進委員会」(8・15推進委)は7月28日、声明を発表した。

 7月1日から非常事態宣言などを通じて韓米合同軍事演習の中止を求めてきた8・15推進委は、同軍事演習が予定通りに行われるということに強く反発している。

非常時局宣言を発表する韓国の市民社会団体の代表ら(7.25 光化門広場・米国大使館前)

各地から集められた「全国時局宣言」

南北関係改善にブレーキをかけている「韓米ワーキンググループ」の解散を訴える市民ら
 

《韓国与党、「国家情報院」の名称を「対外安保情報院」に》

 

 「共に民主党」(民主党)、政府、青瓦台(大統領府)は現在の「国家情報院」(国情院)を「対外安保情報院」に名称を変え、国情院の国内政治への参加を厳格に制限することにした。民主党の趙(チョン)ジョンシク政策委議長は7月30日、「党政青協議会」を開いて権力機関改革課題を議論し、上記のとおり合意したとブリーフィングを通じて明らかにした。

 国会情報委員会は28日、朴智元(パク・チウォン)国家情報院長候補者に対する人事聴聞経過報告書を採択。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日、朴氏を国情院長に任命した。

「党政青協議会」で発言する朴智元・新国情院長(左端、7.30)

2020年7月17日金曜日

『週刊韓国ニュース 第258号』(2020.7.17)

《文在寅大統領、統一・外交・安保ラインを刷新》

 

 南北関係が停滞状態にある中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7月3日、統一・外交・安保ラインを全面刷新する人事を発表した。

 統一相には、「共に民主党」の「南北関係発展および統一委員会委員長」を歴任した李仁栄(イ・イニョン)議員を内定。国家情報院長に朴智元(パク・チウォン)前民生党国会議員を電撃的に抜てきした。

統一相候補に指名された李仁栄議員
国家情報院長に抜てきされた朴智元前議員


 

民主平統首席副議長、「韓米ワーキンググループ」と駐韓米軍の駐留経費増額要求を批判

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の諮問機関である「民主平和統一諮問会議」(民主平統)の丁世鉉(チョン・セヒョン)首席副議長は7月16日、聯合ニュース・統一言論研究所のユーチューブチャンネル「連統TV」とのインタビューで、「統一省は『韓米ワーキンググループ』のせいで何もできなかった」と語り、南北関係を困難にした「韓米ワーキンググループ」は解体されるべきと断言した。


民主平統の19期出帆式で文在寅大統領に経過報告する丁主席副議長(2019.9.30 ソウル)

2020年7月10日金曜日

『週刊韓国ニュース 第257号』(2020.7.10)

《8・15推進委が記者会見「ビーガン米国務副長官の訪韓反対」》

 

 6・15南側委員会はじめ約180の市民社会団体で構成された8・15民族自主大会推進委員会(8・15推進委)は7月8日、ソウルの外務省庁舎前で記者会見を開き、対北交渉代表であるスチーブン・ビーガン米国務副長官の訪韓を糾弾・反対した。

ソウルの外務省庁舎前で記者会見する8.15推進委のメンバーら
発言する金キョンミン韓国YMCA全国連盟事務総長(6・15南側委員会常任代表)


 

《法務相、「検察・言論ゆ着事件」に対し捜査指揮権を発動》

 

 4月の総選挙前に明らかになった、尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長の最側近である韓東勲(ハン・ドンフン)検事長とケーブルテレビ「チャンネルA」の李(イ)ドンジェ記者が結託し、柳時敏(ユ・シミン)盧武鉉財団理事長の不正事件をでっち上げようとした「検察・言論ゆ着」事件と関連し、秋美愛(チュ・ミエ)法務相は7月2日、事件を担当するソウル中央地検捜査チームの独立性を保障するよう指示した。「身内庇護(ひご)」という指摘を受ける尹総長に対し、同捜査チームが上部の支持を受けずに捜査できるようにしたものであり、秋法務相が強い意思を示したものとみられる。

「検察・言論ゆ着事件」を報じるMBCのニュース番組(3.31)

2020年7月3日金曜日

『週刊韓国ニュース 第256号』(20.7.3)

《21代国会が開会も未来統合党がボイコット》

 4・15総選挙での「共に民主党」の圧勝は、20代国会を「植物国会」にしてしまった未来統合党に対する国民の厳しい審判でもあった。しかし、21代国会・院構成のための与野党交渉で、未来統合党が法制司法委員会(法司委)の委員長に固執して交渉は6月29日最終決裂し、統合党はすべての国会日程をボイコットした。これに伴い、民主党は総数である18個の常任委員長を任命し、単独で院構成をし、コロナ事態のための追加補正予算案に対する各常任委員会の審査も完了した。

未来統合党が欠席の中で開かれた国会(6.30)
 

 

 《8・15民族自主大会に向けた推進委員会が結成》

 

 6・15共同宣言実践南側委員会と民衆共同行動は7月1日、ソウルで各界代表者会議を開催し、全国の各地域と各分野にわたる草の根組織の2000余団体を網羅した「8・15民族自主大会推進委員会」(8・15推進委)を結成した。

 8・15推進委は現情勢を非常事態と規定し共同宣言文を発表した。

 8・15推進委は8月15日にソウルで民族自主大会を開催し、デモ行進を行う予定だ。

「南北合意を履行せよ」などのスローガンを掲げる参加者ら

記者会見で発言する李昌馥(イ・チャンボク)6・15南側委員会常任代表議長(前列左から2人目)

「非常時局宣言」への支持を表明する寄せ書き

2020年6月26日金曜日

『週刊韓国ニュース 第255号』(2020.6.26)

《汎民連南側本部、8・15に「第3回祖国統一促進大会」開催へ》 

 祖国統一汎民族連合(汎民連)南側本部は6月19日にソウルで、光復75周年を迎える今年の8・15に開催する「民族の自主と大団結のための第3回祖国統一促進大会」に関する諸団体懇談会を開催した。

 現在の南北関係悪化の原因に関し、李揆宰(イ・ギュジェ)汎民連南側本部議長は米国の対北敵視政策と朝鮮半島への覇権政策にあると指摘。「駐韓米軍撤収、内政干渉中断、平和協定締結のスローガンを掲げて闘おう」と訴えた。

あいさつする李揆宰議長
「駐韓米軍撤収」のプラカードを手にする参加者ら

 

 

 《韓国政府、「軍艦島」の世界遺産登録取り消しを求める意向》 

 韓国政府は6月21日、長崎県にある「軍艦島」の世界遺産登録指定を取り消すよう、朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光相名義で国連教育科学文化機関(ユネスコ)に今月までに書簡を送ると明らかにした。日本政府が開館した産業遺産情報センターで公開されている「軍艦島」の解説で、韓国人強制動員の事実が記載されていないことへの対抗措置とみられる。

軍艦島
 

 

 《京畿道知事、「対北ビラ散布」4団体への捜査を依頼、住民もビラ散布に反対》

 南北関係悪化の原因となった「対北ビラ散布」4団体に対し、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は6月22日、「詐欺」「資金流用」などの容疑で警察に捜査依頼した。対象は「自由北韓運動連合」「殉教者の声」「大きい泉」「北韓同胞直接救援運動・対北風船団」だ。

李在明・京畿道知事

韓国側に落下した「対北ビラ散布風船」を回収する警察(6.23)

2020年6月19日金曜日

『週刊韓国ニュース 第254号』(2020.6.19)

《ソウルで6・15共同宣言20周年大会開く、孫亨根6・15海外側委員長がリモートで連帯あいさつ》

 

 「6・15共同宣言発表20周年 平和統一大会」が6月13日、ソウルの清渓川路で開催され、多数の市民が参加した。

 6・15南側委員会の李昌馥(イ・チャンボク)常任代表議長は大会あいさつで、「信頼を回復する一番の近道は真摯な約束履行だ」と述べた。

 6・15共同宣言実践海外側委員会の孫亨根(ソン・ヒョングン)委員長(韓統連議長)が東京からリモートで連帯あいさつし、南北共同宣言が履行されない理由として、「米国の妨害および米国に対する文在寅政権の堂々としない姿勢にある」と指摘した。

平和統一大会で「米国の障壁を乗り越え対北制裁を突破しよう」と書かれたプラカードを掲げる参加者ら
リモートで連帯あいさつする孫亨根6・15海外側委員会委員長
青年学生らによるパフォーマンス

 

《6・15準備委が非常時局宣言文「相互敵対と緊張激化を防ぐべき」》

 

 「対北ビラ散布」をきっかけに、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が南北共同連絡事務所を爆破し軍部隊を再配備するなど、南北関係が重大危機を迎えている中、6・15南側委員会はじめ各界各層の市民社会団体で構成する「6・15共同宣言20周年準備委員会」(6・15準備委)は6月17日、ソウルで非常事態会議を開催し、南北共同宣言を守るための非常時局宣言文を発表した。

 宣言文では、現在の状況を「南北共同宣言以前に逆行しかねない深刻な危機」と規定。文政権に対し「共同宣言で合意したすべての事項を直ちに履行しなければならない」と求めた。

6・15準備委による非常時局会議
非常時局宣言文を朗読する参加者ら
 

2020年5月29日金曜日

『週刊韓国ニュース 第252号』(2020.5.29)


《「5・24措置」から10年、市民ら「全面解除」「南北共同宣言の実践」求める》

 韓国軍艦「天安号」の沈没原因を「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)による魚雷」とし、南北協力を全面中断した「5・24措置」から10年を迎える中、6・15南側委員会や南北協力事業団体などで構成する「開城公団・金剛山観光再開 汎国民運動本部」は22日、ソウル市の政府庁舎前で記者会見し、「5・24措置」の全面解除を求めた。
ソウル市の政府庁舎前で記者会見し、「5・24措置」の全面解除、開城公団・金剛山観光再開、南北共同宣言の履行を求める「開城公団・金剛山観光再開 汎国民運動本部」のメンバーら(5.22)
大統領府に伝達する書簡を手にする参加者ら(5.22 ソウル・政府庁舎前)
「5・24措置」の全面解除を求める記者会見を開いた汎民連南側本部をはじめとした市民社会団体のメンバーら(5.23 ソウル)


《南北交流のための対北接触、統一省への「申告」で完了》

 統一省は5月26日、南北交流協力法改正案の立法化を推進する方針を明らかにした。
 改正案の骨子では、南北交流協力のために北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)住民と接触する場合、申告すれば許可されるとした。現行法では「受理拒否」条項がある。
「南北共同宣言履行のための2019年 新年を迎える連帯の集い」が金剛山で開かれ、日の出を迎える南北海外の同胞ら(2019.2.13)


《新型コロナウィルスの新規感染者が40人に、49日ぶりの多数発生》

 韓国疾病(しっぺい)管理本部・中央防疫対策本部は5月27日、新型コロナウィルスの新規感染者が40人発生したと発表した。ソウル市・梨泰院のクラブで集団感染が発生して以降、3週間を経過しても感染拡大が収まっておらず、感染の第2波が懸念される。
中央防疫対策本部が発表した感染者数および検査結果(5.27 0時基準)